とらじろうの箱。

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【ひらめき☆マンガ教室】第10回課題・動物がかわいく見える漫画 ネーム編【第4期】

第10回課題・動物がかわいく見える漫画

前置きがあるので、読み飛ばしたい方は目次からお好きな場所にお飛びください。

はじめに

 ひらマン4期聴講生のとらじろうと申します。今回は第10回課題において作成されたネーム原稿へのコメントを書いていこうと思います。基本的には読んでいて感じた読みにくさなど、内容や主張とは直接関係のない部分についての言及が中心です。その中で課題に即した部分に関しては、読み手であるぼくの感想が含まれる場合もあります。

 以下に、本エントリーの構造を示しました。

  1. 作品を読んだ環境
    PCで読んだとか、スマホで読んだ、B5に印刷して読んだとかそういう奴です。
  2. 作品へのコメント
    作品へのコメントを書きます。着想編で取り組んでいた『伝わること』を第一に意識しています。

 この記事に書かれたことはあくまでも、ぼく個人の見方に過ぎません。ただ一つ言えるのは、どのマンガも本当に面白いです。

 是非、下記リンクから正規受講生の作品をお読みください。

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作品を読んだ環境

 chromeブラウザでスクロールを利用して読みました。ページ毎に拡大される形式では読んでいません。

作品へのコメント

『ハヤテはハヤくハシる』作者:丫戊个堂

 課題に即して登場させたのは、ハヤテという名前のワンちゃんですね。

 まず、課題は抜きにしてマンガとしてとても面白かったです! ハヤテのどこか間の抜けた顔に愛嬌があるし、敵対してくるおばちゃんもきっちりキャラが立っていて、嫌味っぽさがあり、安心して読むことができました。ネームアピールに書いてあるとおり、展開についてはぼくも少し唐突に感じました。とはいえ、このマンガならそれもありなのかも、と思いながら読むことができたようにも思います! このような線で描かれていることや、男の子がちゃんとツッコんでいることなどがこの読みを支えていたように感じました。

 4ページなどは細かくコマが割られているのですが、そこまで読みにくさはなく、むしろストレスが少ないように思いました。余白が変わってくるので、ペン入れされるとまた別の読み心地になる部分かも知れませんが……。

 中盤に関しては動物がかわいく見える話というよりは、男の子の話として読んでいました。おばあさんが出てきたあたりです。一方で冒頭と終わりでハヤテを大写しにしてくれているので、全体としてはハヤテのマンガなんだろうなと思いながら読み終えました。個人的には、愛嬌もあるし、最後の水の上を走っている顔も良かったしで「ハヤテ、かわいいなぁ」と思いながら読むことが出来ました。

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『デカくてビビりな毛玉と雑OL』作者:ahee

 女の子のデザインや振る舞いに加え出来事などから、マンガで描かれていない部分についても生活が垣間見えてくるようで、楽しめました。

 吹き出しの余白も十分取られているし、セリフの改行も適度になされていたので台詞が非常に読みやすかったです。スクロールして読んでいたのでとても心地よく読み進められました。一方で、何度か読み直した際にページ単位でとらえようとすると少し読みにくさを感じることがありました。ここについてはぼくの中でも原因がはっきりとは捉えられていません。――が、テキスト(あるいは吹き出し)が画面に対して少し大きすぎることや、細かい書き文字が多い事、ネームなので線がまとまっていないことなどが原因だろうかと予想しました。

 2ページ2コマ目に描かれているメモについてですが、初見時は読んで欲しいのか欲しくないのかが分からず、少し戸惑いを覚えました。このコマの意図をつかみ損ねてしまった、と言ってもいいかもしれません。作者としては、ざっと流し見てもらって「こういうメモがある」という情報や「元の飼い主はこんな(適当な?)感じ」という情報を伝えればいいのか。あるいは後々の展開に影響してくるのからきちんと読んで欲しかったのかがあまり明確には分りませんでした。

 また、内容についてですが、今回の課題とは少しずれてしまったのかなと思います。誤解のないようにしておきたいのですが、この女の子はすごくかわいらしかったし、日常の描き方やエピソードの選び方、物語の魅せ方などはとても面白かったです! 一方で、全体的に女の子の側へ焦点が当たっているように読めたので、動物のかわいらしさがメイン(そちらが演出されている)というよりは、女の子の方がキャラクターとして強くなっていたように感じました。

 これはまた別の視点からですが、導入に使われた設定がオチで回収されていなかったので、この部分は初めから設定に折り込んでしまっても良かったのかなと感じました。

 全体的にすごく楽しめたのですが、個人的には6ページ以降の展開がとても読みやすく特に面白かったです! カメラの引きや寄りも物語内容や女の子の心情とリンクしているように読めて、疑問や引っ掛かりの無いまま読むことができました。

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『出没!転校生 熊田』作者:瀬戸チヒロ

 熊田はしゃべらないので直接的なコミュニケーションはとらないのですが、そのディスコミュニケーションっぷりがかわいらしく、とてもいじらしかったです。熊田のリアクションや表情も明確に描かれているし(その上で、人間たちに内容を捕捉をさせているのでストレスなく熊田を受け止めることができました)、行動も読者の期待を上手く裏切ってくれるようなものが多くて、頭からお尻まで過不足なく楽しめました! 

 間のコマも多く、非常に読みやすかったです。

 強いてあげれば、偶数ページの際に内側(ノドの部分)に寄った断ち切りコマがいくつかあったことが気になりました。オンライン掲載であれば問題ないのかもしれませんが、ネームアピールを見るとゲッサンとあり、紙媒体をあげていたので、狙ったものだったのかどうかわかりませんでした。全体的な出来や読みごたえ、読後感などに大きく影響するほどではないだろうなぁとも思うのですが、8ページや14ページなど、そのコマで動きの中心になる絵の部分がノドに近くなっていたので、こういったページはそれなりに読みごたえが変わってしまうのかも……?

 全体を通して予想が付きながらも心地よく裏切られる部分があったり、かと思えば心地よく思った通りになってくれたりと、とても落ち着いてはらはらドキドキしながら読むことができました。男の子や女の子など、人間の存在感を出しながらも熊田がきちっと中心に来ていてすごくかわいらしかったです。

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『天才カラスの野望』作者:俗人ちん

 ラ、ラスト……!

 ネームアピールを読むに、意図的なことではなかったようで残念でしたね……。

 かわいいかと言われると少し難しいのですが、最後までずっとカラスが主人公だったし、とってもキュートなカラスだったので楽しく読むことができました! 少し難しい、というのはところどころの展開がエロマンガテンプレを感じさせるようなものだったからです。こういう読みは、基本的には特殊なものだと思うのですが、冒頭部分でエロ本がフックに使われているため、言及しても良いのかなと感じました。

 それまではカラスがメインで進んでいた一方、オチはそこそこ大きなコマ2つを使って女の子が持って行ってしまうため、最終的な読後感としては女の子の側に重心が寄ってしまうようにも思いました。また中盤については、多少文字量が多いのかなという印象も受けます。

 ……とはいえ、動物がかわいいマンガかどうか、という部分以外では非常に楽しく読めたと思います。視線の動きで気になるところもないし、何が起きているのか分からないという場面もありませんでした! 俗人ちんさんのマンガはいつもそうですが、笑える部分がきちっとあって、肩の力を抜いて読むことができるのでうれしいです。

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『カエルの王子さま あるいは ヒトのお姫さま』作者:藤原白白

 歴史に残る童話が下敷きになっていることもあってか、すごく濃厚な14ページでした。物語に合わせた演出も、絵の抜き出し方もカチリとはまり込むような構成で、とても考えられているように感じました。

 5ページ以降は大丈夫だったのですが、頭の4ページがぼくには少し読みにくかったです。その理由としては一つ目に、世界観を把握する前に場面転換があったこと。二つ目に、文字量がかなり多かったこと。3つ目に、1ページ1コマ目の台詞を勘違いしたまま読んでしまったことがありました。特に最後の点については読み返すたびに間違った読み方(『また残業?』『今日だけは――』が女の子の台詞で、『別れよう』『君とは――』が男の子の台詞だと思ってしまう。あるいはその逆。)をしてしまいます。

 前半が前振りになっているのは分ったのですが、正直に書くと、後半から始まっていても読むことができるのではないかと感じます。反対に5ページ以降は間のコマも多くメリハリのある展開だった事に加え、文字量も少なかったのでとても落ち着いた気分で読むことができました。

 絵の切り出し方やコマの切り方、断ち切りの使い方などが上手なのでキャラクターの心情に寄り添いながら読めて、とても気持ちいいです。12ページ下段のコマなどは特に魅力的だと思いました!

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『ピーチャンすぺしゃる』作者:かずみ

 販売員と女の子が話の中心になりながらも狂言回しとしてピーチャンがとても機能しているので、動物も埋もれることがなく優れたバランスで作られているなと思いました。物語としても展開があり、一段落つき、オチもついていて満足度が高かったです。

 冒頭を覗いて横長四コマなので、特にコマ割りなどで気になった点はありませんでした。強いて言えば、1ページの2コマ目と3コマ目で視線誘導が上手く機能していないのかなとは感じます。2コマ目と3コマ目の吹き出し位置が近いのに加え、3コマ目の吹き出しが縦に長いのが原因なのかもしれません……。縦長の吹き出しでコマが切れているように感じてしまって『ありがとうございました~』から『歌…? 子どもが――』に視線が映った後右側に目が行きにくいような印象を受けました。

 また、ペン入れがされないと分からない部分ではあるのですが、3ページの3,4コマ目にまたがる吹き出し(コマ線)の描き方。4ぺージの2,3コマ目にまたがるピーチャンの下半身等、ネームで感じる雰囲気を残したまま仕上げられるのかが気になりました。8ページの3、4コマはつなげて大ゴマにするのかな……。

 いつものことですが、線がかわいらしくキャラクターがとても愛らしいので小さな小や少し不思議なマスコット(?)キャラクターがとても馴染んで見えました。それが物語の中のかわいらしさにもつながっていて、温かい雰囲気を感じながら読むことができるのでとても楽しいです!

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『袋小路の猛犬と配達員』作者:盛平

 3ページがとても分かりやすく、その次の展開の理解がしやすかったのですごく楽しんで読むことができました! ぼくは犬を飼ってたことはありませんが、「なんだかありえそう~」と思わせる説得力があってとてもかわいかったです。絵が描けるからか、何気なく大胆な構図が使われているので目としても飽きないし、こういった動きがあるマンガにはとてもマッチしているように感じました。

 4ページはとってもかわいらしいのですが、それがゆえに、ここは2ページに分けても良いからもう少しじっくり楽しみたいなぁとも思いました! とても印象的でキュートなシーンなので、4ページの5コマ目を引きに持ってきてその後の展開を次ページに描いても十分楽しめたのかなぁという印象を持ちました。

 少し気になったのは、8ページのキメ絵をきちんと怖い土佐犬として描けるのかなぁという点です。普段の絵柄がとてもかわいらしいので、ギャップを生かすためにも読者が「怖いなぁ」と思えるような土佐犬を持ってこられるかどうかがポイントになるのかなぁと。加えて、絵柄という点では9ページの1コマ目も現時点ではデフォルメされていますが、ペン入れはどういった雰囲気で仕上げるのか気になります!school.genron.co.jp

『めざめ』作者:motoko

 目を惹きつけるような冒頭になっているし、その演出が物語の中でも意味を持っているのでとても良いと思いました。2ページの1コマ目は少し文字が多いようにも感じましたが、コマは大きいし、ほかのコマは文字が抑えられているしで、パッと見たときの印象とは違ってほとんどストレスなく読むことができたのもうれしかったです。

 少し違和感があったのは、3ページから4ページへの流れでした。展開としてはとても面白いし、理解も出来たと思うのですが、初見時には「何でいきなり鳥なんだ? なんかフラグあったっけ? ていうか、鳥だとすぐ起きてるけどここは笑っていいシーンなんだろうか?」と解釈に迷ってしまいました。それでも4ページの引きの(めくりになってたら一層気持ちいいのかなぁと、思わず想像するほどでした)展開は非常に気持ちが良く、読んでいて快感でした。

 鳥のデザインも絶妙に胡散臭く、主人公が『何か 思ったのと 違う』と言いたくなる気持ちがとても良く分かります。一方で、最後のオチとして使われる『「モヒカン」』の部分については、ゴメンナサイ、初見時には読み落としてしまいました。6ページの1コマ目を単に「主人公が検索しているシーン」としてのみ捉えており、検索ワードについては特に重要だと感じないまま読んでいたのだと思います。

 これは、何度か読んでも核心を持てなかった部分なのですが、9ページで鳥がノックしてくれているのはお腹が減っていたからでしょうか……? 1コマ目の『また調子が――』というモノローグから何となくは推測できたのですが、ほかに情報を付け加える演出や台詞もなかったので自信をもって読むところまではいけませんでした。15ページの1コマ目でも捕捉はできるのですが、2コマ目が『僕の昼飯ーーーっ』となっていて、単なるオチ展開として使われたようにも思え、少しモヤモヤの残ったまま読み終えてしまったように思います。

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『猫を飼い始めました』作者:なないつ

 猫好きな人が抱きがちなあるあるを要素に取り込んだマンガなのかなと感じました。少しずれた主人公と、仲の良い友人のカップリング物というか、組み合わせものとしてすごくほのぼのとしていながらもまとまりを感じて楽しかったです!

 今回の課題に即して言うと、動物がメインに来ている(読者の意識が動物に向き、かわいいと感じる)かどうかについては、少し難しいかなという印象です。個人的に言えば、四本目の四コマは猫に視点が寄った気がしました。

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『鳥とオレの生活』作者:のり漫

 鳥、というよりは鳥のキャラクターと言った方が適切だと思いますが、ものすごく愛らしく、おそらく作者の狙った通りに読み終えることができました。デザインと口調の少しちぐはぐな感じとか、男の子がきちっとツッコミを入れてくれる安心感とか、細かいところが丁寧に整備されていたのでストレスなく、マンガのテイストにうまく乗って読むことができたのだと思います。

 四コマのテンポも良く、省略するところの塩梅がちょうどいいので間白の想像を楽しみながら読めました! 楽しかったです!!
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『むすびちゃんの怪しいおまじない』作者:つまようじ

 テンポが良く、息をつかせない展開が続いていたのでススススーッ!と読み進めてしまいました。女の子の行動の動機もきちんと描かれていたし、悪魔が怯える理由なども明確に描かれていたので読んでいて悩んだり、止まったりすることはほとんどありませんでした。

 少し難しかったところとしては、4ページの1コマ目でしょうか。ぼくがスクロールを利用して読んでいたのもあるのですが、『い゛やあ゛ああああ虫ィィィ』の台詞に関して、「虫」という単語がコマの端にあり、中心より下に位置していたので、本来狙っていたタイミングより認識が遅れてしまったように感じました。そのために、女の子が何で嫌がっているのかの理解が遅れてしまい、ほんの少し我に返ってしまった時間があったように思います。

 一方で、悪魔の登場シーンや投擲シーンのコマ割りは物語的にも意味がある形や大きさになっていたし、メリハリにもなっていたのでリズムよく読むのを助けていたような印象を持ちました!

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『6月の猫と私』作者:片橋真名

 どういう立場で読めば良いのか、すこし難しいなと感じました。ネームアピールを見たところ、Twitterを想定しているとのことでしたので、片橋さんが普段持っている猫へのスタンスをご存知の方はまた違う印象を持つのかもな、と思いました。

 というのも、アバンというわけでもなく冒頭からいきなり物語が始まっているので、猫に対する作者のモチベーションというか、関わり方を知らないうちに、助走することなくいきなりハイテンションで来られたので、少し驚きました。だらしない猫がメインなのか、ハイテンションの飼い主のリアクションを楽しめば良いのかなど、どういう風に読めば良いのか読者としての視点を固定できないままマンガが始まってしまったように感じます。また、こちらも前振りが無かった(ことに加え、作者キャラのテンションが大きく異なっていた)ので、2匹目の猫が初見時には二匹目なのかさっきの猫なのか、同じ場所なのか違う場所なのか、同じ日なのか、別の日なのか等、いろんな情報に確信が持てず戸惑いを覚えてしました。

 このような感じで(あくまでもぼくがした読み方をしたら、ですが)マンガの世界に足をつけることができなかったので後ろの展開についても、描いてあること自体や流れはなんとなく理解ができるけれども、相互の流れの中で理解することはあまりうまく出来ないまま読み終えてしまいました。すみません……。

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『エビロマン』作者:くたくた

 課題との応答はひとまず置いておいて、1ページの出だしと『エビロマン』というタイトルのフォントが良すぎて何かをガッツリと掴まれてしまいました。したがって、初見時にはそのままテンションを爆上げさせられたまま読んでいたので、めっちゃ良いな! と思いました。

 冷静になった後に読み直してみるとルビの違和感と、5ページの『揚げるなら せめて 天ぷらだろっ!!』に関しては多少の違和感を持ちました。とはいえ、この線の感じとコマ外から手が伸びて来る感じと、やはり繰り返しになりますが冒頭のまとまりからもうこれはこれとして受け止められてしまったので、いいんじゃないかなと思いました。いや、でも、やはり、天ぷらの件については(ぼくの知識がかけているだけかもしれませんが)なぜフライはダメで天ぷらだと大丈夫なのか欄外にでも書いてあると嬉しいなと思います。

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『みわくのかほり』作者:柴田舞美

 かわいい! 男の子も女の子もかわいいし、内容もきゅんと来るしで普通に楽しんで読みました! 今回の課題的には動物が背景に行き過ぎているなぁとは感じたのですが、それ以上にマンガとして面白く、最後まで読み進めてしまいました。特に、男の子のニオイが元来のモノだというのは多少予想がついた中で、女の子のレモンのような香りを出してきて「きっと香水だろうな」と思わせたところの意外性や、そこからの女の子の少し不思議な感じを抱かせたまま男の子へ無防備に近づかせてしまう流れが巧みで、とても自然かつ面白く読むことができました。

 ネームアピールにも書いてありますが、猫が多少道具というか要素になってしまっていたとは思います。加えて、4ページの下段コマの吹き出しなどもそうですが、全体的に少し台詞が長く、コマと吹き出しとのバランスが難しいような印象も受けました。とはいうものの、不思議なことに文字量の割に読みにくさはなかったと感じています。理由は自分でもよく分かりません。言語化できず申し訳ありません。台詞(言い回し?)と絵の雰囲気がすごくマッチしていて、違和感が無いので読まされている気にならず、台詞を台詞のまま聞いていられるのかも……。

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『神の名は希望』作者:桃井桃子

 目を引く1ページ目になっているし、生物をかわいく描いた上にそれを展開の一つとして司祭様のキャラクターを掘り下げるきっかけにもっていっていて驚きました。ページ数は8とコンパクトですが、その上で楽しむのに必要な要素が適切な分量で配置されていたように思います。

 神様(というより宗教)ものという設定と、司祭様の二面性のあるキャラクター、希望様の幼い雰囲気でかわいい感じなどが、不穏さを醸しながらも金平糖のような凸凹した輝きを保っているようで、奇妙な緊張感を覚えながら読みました。

 モニターで見ている分には問題ないのですが、何度か繰り返して読んでいると台詞の行間が比較的狭いことが少し気にかかりました。コマ割りが大きく、吹き出しの余白も十分に取られているので杞憂かもしれませんが、割と縦の文字数が多い(改行が少ない)台詞配置をしているので、場合によっては読みにくさを感じてしまうのかなぁと思いました。今回のマンガで言うと、ほかの箇所に比べて6ページの4コマ目はモニターでも多少読みにくさを覚えました。

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『おたすけっ 猫峰さん』作者:横たくみ

 猫の、人とは関係のない場所で生きている感じとかそれでも関わりを持ってきている感じとか、邪魔するタイミングとか、手伝ってくれるタイミングとか、矢印の入れ方とかがすごく丁度良くて、なんと言えばいいのか――語弊のあるいい方にはなってしまうのですが、バズってたまたま流れてきた猫マンガを読んでいるような気分になりながら読み終えました。

 いや、なんかも、ねこかわいいなって思って読んだし、読み返しても猫かわいいなって思うのでそれでいいんだと思います。

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おわりに

  第10回課題に対するコメント記事でした。

 なんと言えばいいのでしょうか。うーむ……。場合によっては語弊があるようにも聞こえてしまうと思うのですが、どれも本当にマンガマンガしていてスーッと楽しんで読めてしまうので困りました。自分が何をどう読んでどう見えていたのかを言語化するハードルがとても高くなっているように思います。

 細かく要素に区切ってコマを読んだり、ページを読んだりすると微妙な違和感や視線誘導の奇妙さに気が付きはするのですが、そこから離れてしまうと本当に少ないストレスの中で読み進められてしまいます。

 マンガの力がすごいぜ。

 前回に当たる第9回課題のページ上限が多かった振り返りもあってか、短いページ数の中でもきちっと物語や展開をまとめられているものが多かったように思います。

 いやぁ~、読んでいて本当に楽しかった。

 しみじみ……。

 では、また次の記事でお会いしましょう。