とらじろうの箱。

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【ひらめき☆マンガ教室】第7回課題・ネット経由で広がりそうな漫画 完成稿編【第4期】

第7回課題・ネット経由で広がりそうな漫画

前置きがあるので、読み飛ばしたい方は目次からお好きな場所にお飛びください。

はじめに

 ひらマン4期聴講生の「とらじろう」と申します。今回は第7回課題において作成されたネーム原稿へのコメントを書いていこうと思います。

 以下に、本エントリーの構造を示します。以前書いた通り、第二サイクルに入ったことを受けて以前と記事の構造が変わっています。

  1. 作品を読んだ環境
    PCで読んだ、とか、スマホで読んだ、B5に印刷して読んだ、とかそういう奴です。
  2. 作品へのコメント
    エントリーの本丸です。作品へのコメントを描きます。着想編で取り組んでいた『伝わること』を第一に意識しています。

 どのマンガも本当に面白いです。この記事をお読みいただいた巡りあわせもございます。是非、下記リンクから正規受講生の作品をお読みください。

 なお、作者の方からお声がけいただいた作品についてはコメントの掲載を控えさせていただいております。

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作品を読んだ環境

 iPhone11のsafariブラウザで1ページ毎に読みました。

作品へのコメント

『シン・折れない腕』作者:丫戊个堂(同人誌Aチーム)

 ネットのどういう場にどういったアプローチで発表するのかが分からなかったので、「ネットサーフィンをしていたら見つけた4ページマンガ」という体で読みました。

 文字量は多いように思いましたが、コマ割りが大きいのと級数が小さくないのとで読みにくさは感じませんでした! また、武術の門外漢としての意見になりますが、マンガの内容はマメ知識として面白く、思わず人に「折れない腕って知ってる?」と言いたくなるようなものだったと思います! マンガそのものを誰かにシェアするかどうかは難しいところですが、「こう言うマンガがあってさ」という風に紹介するかもなぁと感じました。

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『シェフが厨房で野球をしてボールを打ち上げる話』作者:ahee(同人誌Aチーム)

 このマンガは何度も読んでしまっているので、改めて文字にしようとすると難しいです。ネタがいくつもあるので、気に入った人はすごく取り上げやすいマンガなのかなぁと思います。初見時の意味の分からなさも、思わず「こんなん読んだんだけどさぁ」と言いたくなるような類のものだと感じました。

 以前見たものだとここまで枠線が太くなかったと思います。現在のモノはすごく読みやすいのですが、反面、絵の方に視線が行かないよう印象を持ちました。魅力的な絵柄であるのに加え、ネットという速度の速い消費には絵もある程度目立っている方が良いのかなぁと感じ、少し違和感がありました。

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『愛犬の接し方がわからない~まろとの生活~』作者:あまこう(同人誌Cチーム)

 マンガの内容に入る前にタイトルを読み「愛犬との接し方が分からない」じゃないのかな? と思いました。

 動物モノですね! わんちゃんがかわいい! 一方で、今の原稿だと結構人間側にマンガの中心が寄っているので、もしかしたらペットモノ(エッセイに近いマンガのことです)ではないのかな? と感じました。また、『1日目』とあることから定期的にアップロードされていく作品なんだと思いました。サイトにアップされたものは1日分しかないので判断が難しいですが、だんだんと男の子とわんちゃんの絆が深まっていくんですかね!? 定期的に読みに行くのにちょうどよい気がしました。

 スマホで読むのには少し文字が読みづらかったです。字画の多い文字は結構つぶれてしまって、解読が難しかったように感じました。例えば、2ページ左下の『嘔吐ながら』は何と書いてあるのか分かりませんでした。同様に最終ページの『まろとの生活 一日目 嘔吐』も読めなくはないのですが、「おう吐」表記の方が読みやすいのかな、と感じます。

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『チャラ男陥落ッ!!』作者:俗人ちん(同人誌Cチーム)

 これは、毎日投稿で読みたいやつ! ネタの持って来どころがさすがだなぁと感じました。正直このページだけだと何とも言えないのですが、ふと見たTwitterアカウントにこの毛色のマンガが30~40ページ分投稿してあったらフォローするのかも、と思いました。いや、むしろ個人的にはTwitterよりHTML手打ちかよ! っていう感じのサイトに、毎日連載してた名残を見せつつこのマンガが乗ってたら人に教えたくなるかもしれません。とにかく、続きが欲しい!

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結婚前夜』作者:藤原白白(同人誌Bチーム)

 普通に意外性のあるマンガとしておもしろかったです! ネット掲載時には『【最後まで読んでほしい】明日の結婚式が楽しみ過ぎる女の子の話』というタイトルで掲載するんですね。投稿時期にもよるのかなと思いますが、なにやら世間で結婚が話題になっているタイミングや、こう言う女の子のシリーズものなどになっているとまとめて読むことができるし、その中で意外性のあるマンガになっているのですごく読みごたえがあるなと思いました。

 読みにくい、ということはないのですが、すこし文字が細いので読むのに気を遣う感覚があります。読んで行くと演出の為にそうなっているのが分かったのですが、気持ちもう少し太目の文字か字間が開いていると読みやすいのかなぁと感じました。

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『ペット』作者:かずみ(同人誌Aチーム)

 唐突に実写が入る感じや、商品名が虫食いになっている感じがエッセイものっぽくてよかったです。あるあるネタなのかは分りませんが、どうせ実物を使うならついでにお値段を書いても良かったのかなぁと思いました。そうしたらTwitterマンガを更新しつつアフィリエイトを貼って――みたいな継続もあるのかな、と。(もちろん、そのような形を望んでいるのかはわかりませんが……)

 4コマだからなのか、すごく読みやすくてふとした瞬間に読むのにとても気が楽でした。その上でふふっと来るようなエピソードと共感しやすいあるあるだったので定期更新されていたら循環アカウントの一角に食い込んできそうだなと思いました。番外編的にアイドルの子の回があったりして……。

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『1ページ漫画連作』作者:ハミ山クリニカ(特待生)

 もうTwitterで毎日更新されているのでいうことがありません。すごい! えらい! すごい! ネタとしてもハミ山さん独特の雰囲気で包みながら、バラエティ豊かなので全部とはいかずとも何個かに一個は思わずシェアしたくなるマンガなのかなと思いました。特にハミ山さんの場合はすでに連載を持っていて、最近単行本が発売されたばかりですので、そういった意味でも流石だなぁと感じました。
 ――というわけで、lineマンガにて連載中! ヤフーニュースにもなったゾ!!

 『汚部屋そだちの東大生』をみんな読もうな!! 本当に面白いぞ!!

 このように書くと、なんだこいつは宣伝したかっただけか。と思われるかもしれませんが、今回の課題に対して1ページ漫画にした理由と実際に書き溜めてあることを示すように11日分投稿されているのでもう、何もいうことがないな、と。個人的には『ある幸せの熟成マシンの死』が好きです!!

 ↓単行本も発売中!

1ページ漫画連作 – 超・ひらめき☆マンガ家育成サイト

『Don't Touch 貧乏神!』作者:コバヤシ(同人誌Cチーム)

 おそらくTwitterを想定しているからだと思うのですが、全ページ全方向に断ち切られていて絵が大きく、文字量の割に非常に読みやすく感じました。

 とてもまとまりがあり、マンガとしての完成感もあるので綺麗なマンガだったなぁという印象を持ちました。おそらくそれに関連して、おっぱおいが強調されているのは分るんですが、それにしてはやたら健康的だなとも思いました。Twitterで広がりそうな漫画としての色気としてどうなのかは少し毛色が血がような気もしてしまいました。

 一方で、これは本当に個人の趣味に寄るのでバズるかどうか分からないのですが、兄貴と男の子のほうにめっちゃ可能性を感じます。というか、マンガの作りとして貧乏神の女の子より主人公二人の方が目立つようになっているので、男の子の可愛さがすごいなと思いました。

 このまま何話か続けて読みたいです。

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『救い』作者:kuzikuzira(同人誌Bチーム)

 現状のアピール文だとどういうネットにどのようなアプローチをかけるか分からなかったので、何かを書きづらいのですが、シンプルに4ページ漫画としてぼくは結構好きです。『救って あげましょう』で死んじゃうのかな、と思ったら『痛ったい…』だったので元気をもらえました。ありがとうございます。

 キャラ線がシンプルなのと、コマ数が少なく、文字も比較的大きいのとでスマホでもすごく読みやすかったです。 

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『4つの短編』作者:motoko(同人誌Cチーム)

 確かに予想は裏切られるのですが、どれも少し考えさせられるオチになっていて、ぼく個人としてはあまりストレス解消できるような読後感にはなりませんでした……苦笑

 とはいえ、シリーズものなのかな? と感じるほどに統一感のある作品群だったので、アピール文にある通りまとまった量があれば「こういうマンガを定期的に書く人」として認知するように思いました。

 すこし考える必要のあるマンガ群になりそうだと思うので、SNSと一口に言ってもどこを選ぶかがかなり大事になるのではないかと感じました。この4つの中だと『ライブ配信』が個人的に一番好きです!

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サイコパスと一般人』作者:なないつ(同人誌Bチーム)

 サイコパスネタは定期的にバズっているのを見かけますよね。アピール文ではSNSとだけ書いてあるので、どのサービスを想定していたのかはわかりませんが、たしかにタイミングが噛み合えば拡散されそうです!

 あとはこの手の定期的にバズるネタシリーズとかにして数があると人目に付きやすいのでしょうか……。

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『紙に見放された男』作者:のり漫(同人誌Aチーム)

 このマンガはすでに作者ののり漫さんがご自身のツイッターで投稿されており、そこにおいて「ネットで広がりそうな漫画を――」とやっていらっしゃるので、もうその結果こそが、という気がします。とはいえ、面白いマンガだったので書きます!

 基本的に絵で内容が分かるし、なんなら絵が面白いマンガだったのですごく読みやすかったです。でも、反対に絵だけで読め過ぎるのがダメだったりするのでしょうか……。読者にリアクションを考えさせるより、リアクションを仕向けさせてあげた方が拡散されやすい、とか……(お笑い番組で笑うポイントに笑いSE入れる的な?)。

 これはふだんのり漫さんのエッセイ漫画を読みなれているからかもしれませんが、このおじさんよりはいつものエッセイ主人公が出てきて、普段の日常の一部分として読めるようなマンガだとまた受け止め方が変わるのかなぁと思いました。おじさんの絵はとても面白いのですが、今のモノだけしかないとキャラも良く分からないし、そうなると単にトイレの話としてしか読めなくなってしまうのかなぁと……。
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『先輩に告白したいJCの話』作者:つまようじ(同人誌Bチーム)

 1ページ以外、もう何が何だか分からないんですがそれが面白くて思わず笑ってしまいました。2ページの終わりに『☆パパの愛には 勝てない…』と煽り文が入っているのも、このマンガを読んだ後に分かりやすい突込みどころを用意してくれていて受け止めやすいマンガにしている要因なのかなと思います。

 わけわからん過ぎて「わけわからんマンガ見つけたw」的なノリで思わずRTしてしまうかもしれないな、と感じました!

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『私は土の精』作者:畑こんにゃく(同人誌Bチーム)

 とにかく土の精が変態なんだなってことが伝わってきました。そこそこ細かくコマを割っているページもあったのですが、全断ち切りで描かれていたので窮屈感もなく、むしろ読みやすいなと思いながら読んでいました。

 アピール文が潔よすぎていて、おっけ! みたいな感覚なのですが、この手のシュールギャグは結構個人的に好みで、週末の疲れたときに更新されていたら思わず読んでしまい、元気をもらえるなぁと感じました。

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『スタバのカモミールティーラテを推したいまんが』作者:片橋真名(同人誌Aチーム)

 仕事疲れた漫画+日常一息マンガ+スタバ(分解能高い人ホイホイ)マンガなので、すごくフックは大きいのかなぁと思いながら読み始めました。そして少し覚悟しながら読み始めたのですが、やはりスマホだと文字量が多いのと級数が小さい(余白が少ない?)のとでかなり窮屈に思いながら読みました。もしかするとタイトルを黒字白抜きではなく、フチなし枠文字にするだけでもだいぶん圧迫感が薄まるのかなとも思います。

 とはいえ内容はまさしくちょっとしたおせっかい心を刺激するようなもので、最後に『教えてください…』と促しているのもあって、人からのリアクションはもらいやすいマンガなのかなぁという印象を持ちました。

 試しにsafariブラウザでスワイプしながら読んでみたのですが、圧迫感がかなり違いました。紙面外の色が灰色(Twitter)や黒(ひらマンHP)の時とかなり印象が異なるので、もしかするとマンガの中での黒の使い方などがポイントなのかなぁと思いました。

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『七・五・四コマ どっちつかず』作者:くたくた(同人誌Bチーム)

 やっぱり4コマはスマホでめっちゃ読みやすいです。カラーなのもお得感+読みやすさがあってストレスなく読めたように感じました。ただ、ぼくの環境だとちょっと文字が小さくて、画数の多い字は若干読みづらいように思いました。

 とてもリズムが良いので、思わず繰り返し読んでしまいます。そして繰り返し読むとRTするかという気になります。アピール文にはSNSとだけあるのでTwitterだけには限らないとは思うのですが、リズムが良くてなんだか不思議な読後感なので思わず人に話したくなるマンガだと思いました。欄外でどっちつかずが楽しそうなのも可愛いです。

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『あの日教室で笑った彼女の話』作者:田山(同人誌Aチーム)

 田山さんらしいテイストに仕上がっていて、個人的にはとても好みなマンガでした。一方で、Twitterを想定しているとのことでしたが、作者の味がここまで出ていると初動をどこで仕掛けるかはより重要になるのかもなぁという印象も抱きます。つまり、Twitterと一口に言ってもどこのクラスタに届くか、あるいは届かないかでかなり拡散のされ方が変わるのではないかと思いました(もちろん、どんなマンガにも言えるようなことですが……)。

 秒速5センチメートルとか見た後に読みたいマンガだなって感じました。

 ぼくが田山さんらしいマンガだなと感じたということは、多分、作家性があるということだと思うのですが、そういった場合過去作や今読んでいる作品以外のモノも探してみて一番いいのをRTすることもあると思うので、ストックがどれくらいあるかも大事かなと考えました。

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『早起き。』作者:横たくみ(同人誌Bチーム)

 読んでいてぽかぽかしてくるマンガでした。スマホでも読みやすく、話も分かりやすいので混乱もありませんでした。一方で、誰かに話したりRTしたくなるかどうかというと少し難しいかなぁと感じました。というのも、いい話だしほっこりもするのですが、このマンガだけだと二人のキャラクター性が分からないのでどうにも熱量を持ちにくいのかなという印象をもったからです。ほっこりしたのでRT、はすると思うのですが、そこからどんどん広がっていくかなぁというと難しいのかもと感じました。

 とはいえ、このキャラクター性の薄さはある意味で武器になるのかもしれません。アップロードするタイミングや投稿先の年齢層などをより絞り込めば効果的にも使えそうです。

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おわりに

  第7回課題に対する感想記事でした。

 今回は普段の形式と異なりいきなり完成稿の投稿となります。おそらく、『ネット経由で広がりそうな漫画』に取り組むにあたっては自分自身が編集者になるからではないかと考えています。その場合、ネームをアップロードするという選択肢はかなり特殊な場合を除いて少なさそうですよね。この考えがあっているかはわかりませんが……。

 まとめて読んでみると、1話だけだとかなり物足りない感じを受けるのだなぁと勉強になりました。課題としても『ネット経由で広がりそうな』とのことで、読んですっきり! さあおわり。という所で終わってはいけなさそうです。

 はてさて。改めて横山さんの講義は今までのモノと少し色合いが違うように思えてきました。期待が高まりますね! ちなみに、日曜日には待ちに待った『ひらめきパート』もあるのです。ハードな週末になりそうですねぇ。

 うしっ!!

 では、また次の記事でお会いしましょう~。