とらじろうの箱。

自分でプレイしたゲームや、読んだ漫画や本などについて書いています。なお、このブログではAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

【ひらめき☆マンガ教室】第6回課題・構成を練る ネーム編【第4期】

第6回課題・構成を練る

前置きがあるので、読み飛ばしたい方は目次からお好きな場所にお飛びください。

はじめに

 ひらマン4期聴講生の「とらじろう」と申します。今回は第6回課題において作成されたネーム原稿へのコメントを書いていこうと思います。

 以下に、本エントリーの構造を示します。以前書いた通り、第二サイクルに入ったことを受けて以前と記事の構造が変わっています。

  1. 作品を読んだ環境
    PCで読んだ、とか、スマホで読んだ、B5に印刷して読んだ、とかそういう奴です。
  2. 作品へのコメント
    エントリーの本丸です。作品へのコメントを描きます。着想編で取り組んでいた『伝わること』を第一に意識しています。

 どのマンガも本当に面白いです。この記事をお読みいただいた巡りあわせもございます。是非、下記リンクから正規受講生の作品をお読みください。

 なお、作者の方からお声がけいただいた作品についてはコメントの掲載を控えさせていただいております。

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作品を読んだ環境

 chromeブラウザで、スクロールしながら読みました。

作品へのコメント

『ブランクカード』作者:ahee(同人誌Cチーム)

 赤ちゃんのアップから一気にカメラが引いて劇場。下段は黒塗りコマに白吹き出し。目の飽きない出だしに、まるで作者の手のひらの上を転がされているようでした。場面転換の多いマンガでしたが、きちっと移動先の状況の分かるコマが入っていて、その点での混乱はしなかったように思います。

 何度か回想が繰り返されますが、初めて読んだときは個々の回想がいつのモノなのか少し困惑した印象を持ちました。11ページまで読むと不安なく読めたのですが、5,6ページの回想は、劇場での叱られシーンの続きなのかな? と気になってしまいました。

 ネームということで移動のシーンと演出にかかわる小物しか描いてありませんが、場面転換が多いこともあり、比較的背景をきちんと描かないといけないマンガなのかなと感じます。完成稿が楽しみです。

 終わり方について、ぼくはすごく楽しめてこれでいいんじゃないかと思うのですが、読み切りだということを考えると、もう少し先まで描いてあっても良いのかなぁとも感じました。現状でも決着はついていると思いますが、読者に似た経験や似た思いがないと持って帰るものが無い終わり方になってしまっているのかなぁと感じます。

 見開きの使い方にとても迫力がありました。それこそ、ペン入れでどうなるかという部分なのかもしれませんが、すごく期待が膨らむようなページだと思いました!!

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『恋はピリオドまで確かめて.』作者:あまこう(同人誌Cチーム)

  美男子お兄ちゃんは可能性の宝庫ですね……!

 あくまでぼく個人の感覚ではあるのですが、絵だけを追ってマンガを読むのと、絵と文字を追いながらマンガを読むのとでは、後者の方が少し読みにくさを感じました。絵だけを追っていた場合には一つのストーリーを感じ取れたのですが、文字を追っていると台詞と絵から読み取れる情報に乖離があり、混乱する箇所が多かったような印象を持ってしまいました。例えば、2ページにある兄弟の会話や、8ページの2コマ目と4コマ目で男の子に汗があったりなかったりする場面などでは混乱が強かったように思います。

 それとは別件で、10ページ2コマ目と3コマ目のシーンは回想だと思って読んだのですが、少し理解に時間がかかってしまいました。2コマ目は冒頭(過去)のシーンだと思い、3コマ目はいま進行中のシーンでもおかしくない絵だったので、どこからどこまでが回想なのか戸惑ってしまったのだと思います。

 キャラクターがとてもきれいで、美しいです!! 12ページ上段の1コマ目、2コマ目などとても可愛らしくて素敵です! キャラ絵がしっかりしている分、情報もクリアに伝わってきてしまうのかなぁという印象を受けました。そのためにセリフや演技と絵の情報に差異が、あるとたとえ小さなものでも混乱が大きくなってしまうのかなぁ……と。

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『恋はストレートと共に』作者:瀬戸チヒロ(同人誌Aチーム)

 暑苦しい奴がちゃんと暑苦しかったり、主人公の目的がはっきりしていたりと、いい意味でシンプルなマンガだなと感じました。そのために一度乗った後はぐぐぐいっと読み進めてしまいました! 読者が乗り切れないであろう冒頭のうちは、大きなコマで台詞も少ない作りになっているように感じ、読みやすかったです。

 5ページでモブ友の動きが少し気になりました。自分でミナトの話を振ってから『メイ 本気だ』となるのが良く掴み切れなかったのだと思います。主人公のアピールが読者にとって非常に分かりやすく書いてくれてあったので、周りの子もみんな知っているものだと思ってこのページを読んでいました。そのためか、ここのモブ友の反応が少し変な風に見えたのかもしれません。あるいは『絶対好きになってもらうの……』の顔が普通の恋する女の子の顔に見えて、狂気をあまり感じなかったということかもしれません。一方で、8ページの『ぎゃ!!』はとても良くて、これはリアル怒りというよりマンガ的な怒りの奴だ! と、リアリティラインが分かりやすかったように思いました。

 1ページ大ゴマの絵も迫力があり、その後の展開における受けのリアクションもきちんと描かれていて、読むのに迷うことが少ないマンガだなぁという印象を持ちました。メインの二人もキャラクター然としていて楽しかったです!!

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『ハリくんに触りたい!』作者:俗人ちん(同人誌Cチーム)

 いい意味で緊張する必要がないマンガで、とてもリラックスしながら読むことができました。ベタと言えばベタな展開だとは思うのですが、きちっとベタをやり切っているように見えて楽しかったです! ギャグシーンもギャグとして読むことができるし、面白い!

 冒頭に世界観の説明がないまま物語が始まってしまったので、普通の猫がいて、獣人もいて可愛い女の子が探検服を着ていて……、みたいなマンガマンガした世界に馴染みのない人が読んだとき、どういう風に見えるのか少し気になりました。

 見開きのページはただでさえ絵面が面白いところに、ダメ押しとして二人の虚無顔が描いてあってとても愉快でした! 丸太が降ってくるところも「だよねー! くるよね!」という感じですごく楽しみながら読めたと思います。

 講義でも言われていたように思いますが、主人公ちゃんがどうして動物をなでたいと思っていたのかは確かに言われてみると気になります……。

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『さくら さくら』作者:藤原白白(同人誌Bチーム)

 2,3ページが少し、何が起きているのか読み取り切れませんでした。

 見開きの驚きをそのまま締めのインパクトに持ってきたのですね! すごく印象的な読後感を持ちました。話の流れとしてもあまり違和感がなく、冒頭を忘れる前に最後まで読み進められたこともあって、すごく綺麗に終わったように感じました。

 そこまで重要ではないからだと思うのですが、個人的には、二人がだいたいどれくらいの年頃なのか早めに分かったらよかったのかなあと感じました。というのも、冒頭が図書館のシーンで、これだけだと学生なのか大人なのかは説明されないと分からないなぁと考えてしまったからです。ペン入れされると服装や雰囲気がもう少し固まるので、この混乱もなくなるかもしれませんが……。

 性格に合わせてキャラクターがコマより前面に出ていたり(6ページ)、立ち絵があったりと(8ページ)、画面構成としてメリハリがあって読んでいて目が楽しかったです! 途中で出てくる小物もしっかりと最後まで物語に関与していて、ちゃんと回収してくれているのも安心感がありました。

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『Hello,again』作者:かれーとさうな(同人誌Aチーム)

 エモさしかない。ラジオのレトロな感じと、珈琲とメロンソーダというチョイスが絶妙だと思いました。ここだけでも二人の関係性が何か伝わって来るように思います。見開きの使い方にしても、この話ならここしかない! という場所でドーンと来て気持ちが良かったです。

 最後の締めも男性が号泣していて、女性の方が多少強い言い方をするのが、この二人の関係性を物語っているような印象を受けます。ド王道に婚約指輪で終わるのも分かってるなぁと感じました!

 あとはペン入れでどれくらい背景を書き込むのか、雰囲気を作れるのかが気になりました。ナレーションと絵の雰囲気で持っていかれるマンガになるな、と思ったからです。完成稿で人物のディティールとのバランスをとるのが難しそうだなぁと感じています。

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『永遠の愛』作者:かずみ(同人誌Aチーム)

 早速期待を裏切られる展開、良いですね! モノローグのストレートな変態具合から覚悟の深さを感じていたところ、めくった時、見るからに小さな女の子がいて「やられた!」と思いました。

 ペン入れの具合でなんとでもなる部分だとは思うのですが、2ページで出てきた保護者と5ページで出てきたおばあちゃんが別人なのかどうか、パッと分かりにくく、一度ページを戻って読み直してしまいました。

 絵の可愛らしさの生かし方がとても良いと思いました! 特にコマが大きくなって台詞量の少なくなってきたあたりからは読みやすさも増し、とても乗りながらネームを読めたように感じました。9,10ページなど、ぼくからすると明らかに可愛らしい女の子の図像なのに、主人公君にとっては絶望を意味していてすごくグッときました!!

 ただ、11ページの読み方がちょっと分からなかったので、もしかすると思いっきり変な風に読んでしまっているかもしれません。主人公の子はやっぱり小さな子しか愛せなくて、愛ちゃんに対して想いを持てなくなてしまっているんだと読みました。ところが、11ページでは愛ちゃんがウエディングドレスを着ていて、主人公君の差し出した手にも指輪がしてあったので結局結婚したのかな……? それはそれで、ビターエンドとして読めるのですが、作者としてはどういう風に読んで欲しかったのかなぁと少し疑問ではありました。

 あと個人的に、9ページの真ん中の縦長コマ女の子めっちゃ良いです。ここにぼくの大切な何かがある様な気がして、このコマ見れたしもういいかなって思うくらい良かったです。
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『不安と魚と夜のネコ』作者:ハミ山クリニカ(特待生)

 ギミックがすごくきちんと回収されていて、綺麗に出来ているなぁと感じました。にゃんこの影トーンも可愛らしくて、物語の展開としても良い絵だなぁと思いました。文字の級数も大きくて、台詞やモノローグも非常に読みやすかったです!

 14ページがすごく印象的な分、ここまでの展開が少し重たいのかなぁという印象を持ちました。不要な情報が多いというよりも、情報がきちっと提示されている分、読むのに時間がかかって一番の見せ場まで少しじらされているような感覚を持ったのだと思います。

 読めなくはないのですが、贅沢をいうとやはり多少文字量がおおいのかなぁとは感じました。3ページにある『ネコ苦手』のくだりは、後半のネコアレルギーの前振りだと思っているのですが、初見の時には後半とつなげずに読んでいました。それでも違和感はなかったので、もしかするとあってもなくても大丈夫なのかなぁと感じました。

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『宇宙が見た夢』作者:motoko(同人誌Cチーム)

 素晴らしいスぺクタルだ! 16ページとは思えないスケールの大きさで、非常に読みごたえがありました。世界観を読者にどう受け止めてもらうか、というのが冒頭の部分だと思うのですが、ペン入れで伝える情報と文字で伝える情報の取捨選択が難しそうです……。

 旧型ロボットがすごく愛嬌のあるデザインで可愛いなと感じました。5ページでは、1コマ目の時点ですでにしゃべっていたので、右下のコマで驚くのには少し違和感を持ちました。また、9ページの場面転換は少し飛躍が大きくて、いったいぜんたいどうしたのだろうと、正直何が起きたのかの把握が難しいと感じてしまいました。13,14ページも展開としては何が起きたのか想像がつくし、ついては行けたのですが絵だけを追いかけていると少し何が何だか分からないように感じてしまいました。

 とはいえ、SFに多少でもなじみのある読者なら、この雰囲気が描けていれば問題なく読むことができるのかなぁとも感じています。内容も少しベタではあるのかもしれませんが、しっかりと筋の追いやすいものなので情報に振り回されることなく楽しみながら読むことができたんだと思います!

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『彼女たちの本音』作者:なないつ(同人誌Bチーム)

 悪と正義が日常的なやり取りを通して共感していく話が、ワンテーマで抑えられていて読みやすかったです。コインランドリーや学校への場面転換も分かりやすく、混乱することなく読むことができました。個人的には全体的に文字量が少し多いかなぁと感じるのですが、展開やテンポが速く、すらっと読める部分が多かったので手が止まることは有りませんでした。

 ペン入れされていないのでまた印象が変わるのかもしれませんが、初めて読んだ際にはヤミーナが女性であることに気づかないまま読んでいました。とはいえ、不当に軽んじられている人たちの怒りが爆発するマンガなんだな、ということは分ったので、プロット的な誤解には結びつかなかったように思います。

 8,9ページの見開きでいかに読者が開放感を覚えるかが大事なのかなぁと思いながら読みました。ペン入れや仕上げの段階でどれほど勢いが出てくるのか気になっています。楽しみです!

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『結婚記念日のディナーは。』作者:のり漫(同人誌Aチーム)

 例えば3ページ中段左下のコマなど、主人公の行動とは別に「読者にここで気持ちを止めて欲しい」と言わんばかりに間のコマが取り入れられていて、すごく心を動かされながら読みました。うまいなぁと思います。

 ぽかおさんの寛容さに乾杯! 一番最初に読んだときは「えー、ここまでされて怒らないのぉ~」とか思っていたのですが、よく考えたら最初からサプライズ計画だったし、ぽかおさんも『ま こうべを上げい』とか言ってるし、この二人はずっとこう言う感じだったのかなぁと思って落ち着きました(?)。花束を差し出す時もおふとぅんに入ったままだし、なんだか可笑しいです。

 読み終わった後、ぽかおさんはこの日をどう過ごしていたのかなぁと気になりました(笑) ぽかおさんスピンオフがあったら読んでみたいです。

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『寺内さんとかくれんぼ』作者:畑こんにゃく(同人誌Bチーム)

 興味を引く1ページをめくると、大仏とおんなじ格好で寝転がっている女の子がいて「負けたわ。負けました」と思いました。『寺内さ~ん いつものやってよ』と、いじめられてるのかな? と少し不穏に感じるフリにも笑顔で答えた上に、その流れで仏像布教をしてる寺内さんのしたたかさに救われた思いです。

 カメラワークも、引きを入れていたりキャラの立ち絵で目線を変えてみたりと、会話主体のシーンでも比較的圧迫感が無かったように思えてすごく読みやすかったです。少し気になったのはカメラが引いた際に、少し引きすぎなのかな、と感じた点です。情報を詰め込んだ分、絵が小さくなっていてどういう場面なのかパッと読み取りにくいかも、と感じたところがありました。分からない、ということは全くなかったのですが、9ページ中段右のコマなどは、少し目を止めて絵を見ないと何が描いてあるのかの把握が難しかったように思います。

 男の子の行動や『このまま 涅槃に入ります』などの言動がいちいち丁度良くて、とても楽しく読み終えました! ともすれば奇天烈ではあるのですが、このネームの中では不思議とまとまりがあって違和感がなく、心地よかったです。

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『僕だけのひみつ』作者:片橋真名(同人誌Aチーム)

 この手のモノになると、コメントというより感想をタイピングしたくなって困ります。困ると言われても困りますよね。……うむ。

 ぼく個人としては2ページのタイトルがきちんと目に入ったので、その段階で確実に男の子だと分かりました。講義でも指摘があった部分ですが、学ランは目に入っていなかったように思います。キャラの顔と吹き出しが割と離れている一方で、書き文字の『ばさ』が上から下に視線を誘導するので、キャラの顔を見ると同時に書き文字を読んだ流れで、左斜め下に目線の重力が働いているように感じました。すると、学ランを見る前に吹き出しを読んでしまうのではないかと。タイトルもこの重力の流れで目に入ったのだと思います(反対に言えば、タイトルを読んでしまったのでこのコマは読み終わったと判断をしたのかもしれません)。

 人を殴る、というのは個人的にはそこそこ強い暴力だと思っています。今のネームのみせ方だと、準がここで教師を殴る程の必然性が良く分からず、若干このシーンでマンガと距離が生まれてしまったような印象を持ちました。その後を読んで、お兄ちゃんとの関係が分かった時には受け止められたように思います。

 10ページの絵がやばいので、ペン入れが楽しみです。

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『うつくしきたたかい』作者:柴田舞美(同人誌Cチーム)

(HP的にタイトル設定がされていないですね。作品にタイトルがクレジットされていて良かった!)

 冒頭、いきなり文字をそこそこの量読み始めなければならなかったので、少しウッと構える感じを受けてしまいました。でもそこを乗り切れば社会人系ストーリーなのに不思議な空気感の中で妖精(?)たちに出会えるので、すごくマンガの楽しさを感じながら読み終えました!

 本当にありそうなキャッチコピーと共に、妖精たちが必殺技めいた何かを繰り出す場面が本当に楽しかったです。真面目な雰囲気の中に少し可笑しなものが混ざっていて、独特の楽しみ方ができたように思いました。

 全体的に文字列が縦に長いのかな、という印象を持っています。個人的な感覚なのかもしれませんが、ぼくとしては2ページの1~3コマ目あたりまでの改行感が読みやすくてしっくり来ていました。あと、3ページ右下コマの『”うるさし”まぶしいな』は脱字でしょうか……?

 ネームアピールでは気にされているようでしたが、ぼくはとくに説明不足だとは思わず読んでいました。それよりは、文字量の方がきになったかな、と。とはいえ、やはりみひらきの前ページを含め、ポワァ…と紙の光る感じなど、久しぶりに日常とファンタジーが心地よく混ざり合う感覚を抱けてとても良かったです!
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『めざめ』作者:田山(同人誌Aチーム)

 1ページの男の子の目のキマった感じや、2ページ1コマ目の構図などから不穏な空気がビンビンに伝わってきたように思います。ただ、ぼくが必要以上に不穏さを感じ取ってしまったのか、2ページ2コマ目の『ママの 読み聞かせは 終わらなかった』を誤解して読んでしまいました。つまり「ママの読み聞かせは、鍋が吹きこぼれたにも関わらず淡々と続いていて不気味だった」という風に読んでしまって、『私はずっと つづきを 待ってた』を読んだときに少し思考が止まってしまったということです。

 個人的な好みの話なのかもしれませんが、6ページで女の子が得る気づきは読者としても同じ様に驚きたかったなぁという印象を持ちました。物語としては今のままでも十分面白かったのですが、ここで一度男の子にカメラがふられていると「っは! も、もしかして……!!」ってな具合に楽しめたのかなぁと……。

 今のままだと吹き出しが下のコマにはみ出ている影響かもしれませんが、『綺麗な 目の 男の子 だって……』と『は』のあいだに間が少なく、読者として驚く余裕が与えられていないように感じるのかなぁと思いました。

 見開きの喪失感は流石……! ぱっと開けた大きな紙面で男の子のいない喪失感がすごく出ていてすごく寂しさを感じました。『おわり』ではなく『めざめ 了』で締めているのも雰囲気があって好みでした!!

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『えいえん、あるいはラブホテルの休憩時間』作者:桃井桃子(同人誌Aチーム)

 コメントというより感想を書きたくなってしまうパート2だ……。

 夜風は朝陽に比べて少しキャラが控えめに見えたのですが、冒頭できちっと一人映ししてくれていたために主人公を混乱せず読み進められたように思います。ペン入れされると2ページ右下のコマでわかるのかもしれませんが、現時点では1ページ3段目の脚が誰の脚なのかよくわかりませんでした。腰掛けてる場所の背景などが描き込まれるのかな……? と思ったり、次に新キャラが出てくる流れなのでその子が駆け寄ってきている足元なのかなぁと思ったりして、少し迷ってしまいました。

 キャラの行動がしっかり固まっているように見えて、すごく広がりを感じました。一方でキャラの方向性が読者に見える前に、作者としての自然体で動いているのかなぁという印象もありました。想定読者にもよる部分なのでわざとなのかもしれませんが、電子タバコが説明ゴマや演技のコマが無く出て来ていたり、ラブホに電子タバコに薬とくりゃわかるよな? という風に薬コマが入っていたりと、ぼく個人としてはもう少し説明してほしかったかもなぁと感じています。

 『つまらなかったら ちゃんと否定 してあげる』で終わってもいいかも、と感じていたのですが、読み直してみると最後のオチがあったおかげでマンガに引っ張られすぎなくてよかったのかも、とも感じました! そういう意味で、すごくパワーを感じながら読んでいました!!
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『死ぬまでにしたい100のコト』作者:うめていな(同人誌Cチーム)

 少し、読むのが難しかったです。

 なんとなくは分ったのですが、第6回課題のメインでもあった大ゴマ1ページの前後の流れが上手く読み取れず、どう読んでいいのか混乱してしまいました。それと、最終ページに②と書いてあるのですが、これは提出時のミスなのでしょうか……?

 冒頭2ページの内、1ページの場面転換が、最初に読んだときは時間経過のみだと思っていて場面が変わったことに気が付けませんでした。ペン入れをして背景が入ると変わるとは思うのですが、初見時には部屋の中だと思って読んでいて2ページ目をどう読んだらいいのか難しかったです。

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『ミステリー好きとクトゥルフ好きがぐうぜん出会って破滅?になるハナシ』作者:丫戊个堂(同人誌Aチーム)

(Hp上でのタイトルが『ぐう"せ"ん出会って』になってますよ!!)

 いったいぜんたい、この世界の宮大工はどんな人たちなんだろうと思いながら読み終えました。展開的には割と無理しているようにも思えるのですが、キャラクターが同じくらいはっちゃけてくれているので、このマンガならこれでも有りなのかな、と奇妙な統一感があり、そういった意味での混乱はなかったように感じます。

 『四人ともくんずほぐれつの図』とはなんなんだ! 絵面として無理のありそうな場面が何個かあるのですが、物語やキャラとしての成立感はきちっとしていたのでマンガとして読むことができました。これまでの提出作品を読むに、おそらくシリーズものの一部という位置づけだと思うのですが、キャラがすごく魅力的なので、もっとこの世界の物語を読んでみたいなぁと感じています!

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おわりに

  第六回課題に対するネームの感想記事でした。課題番号で言うと、全部で10あるうちの6番目です。残り半分を切ったということですね。

 今月末には第二回目の『ひらめきパート』も控えています。

 マンガとしての完成度が、素人目にもどんどん上がっていて以前のような文字量でコメントすることが難しく、現在のように落ち着き始めています。みんなすごい。

 うーむ……。

 とはいえ、まだまだ講義は残っています。ここからが、ひらめき☆マンガ教室の真骨頂ですね……。楽しみだ! そして怖い! この怖さはきっと、受講生特有のモノなんだろうなぁ。マンガが上手くなるだけなら、ほかの教室でもできると思います。ひらマンには恐怖のひらめきパートがあるのじゃ。

 はてさて……。ふむふむ。

 では、また次の記事でお会いしましょう。