【ひらめき☆マンガ教室】第5回課題・『主感情』と『副感情』を描く ネーム編【第4期】
第4回課題・『主感情』と『副感情』を描く
前置きがあるので、読み飛ばしたい方は目次からお好きな場所にお飛びください。
- 第4回課題・『主感情』と『副感情』を描く
- はじめに
- 作品へのコメント
- 『ピザまん☆エナジー!』作者:シバ
- 『傾斜屋敷はカンケイない!!』作者:丫戊个堂
- 『生まれてこのかた』作者:ahee
- 『クソゲー作者姉ちゃん』作者:俗人ちん
- 『ゆきのひ おひさま』作者:藤原白白
- 『ひとつの鼓動の後ろ側』作者:iyutani
- 『ほれぐすり』作者:かずみ
- 『白鳥湖の畔で』作者:こぐまあや
- 『四日間の恋』作者:木ノ上万理咲
- 『ボクと君と時々あいつ』作者:盛平
- 『ストーン・フォー・ユー』作者:motoko
- 『ラスボスは最終回で死ぬ』作者:なないつ
- 『異性恐怖症の先輩の婚活をプロデュースした件』作者:のり漫
- 『帰ってきた! となりのお姉ちゃん』作者:つまようじ
- 『聖なる夜に弟になりました。』作者:畑こんにゃく
- 『エレクトロ*ルミネセンス』作者:pote(ぽて)
- 『兄の背中』作者:片橋真名
- 『ギプスフレンズ』作者:くたくた
- 『地獄に堕ちてお兄ちゃん』作者:清水しの
- 『ある墓碑銘』作者:田山
- 『青と念力』作者:桃井桃子
- 『あるふたりのこと』作者:うめていな
- 『楽しい幽体離脱』作者:ヤノナナミ
- 『いつかのあの日』作者:横たくみ
- おわりに
はじめに
あけましておめでとうございます。新年一発目の更新がだいぶん遅くなりました。
ひらマン4期聴講生の「とらじろう」と申します。今回は第5回課題に対するネーム提出作品へのコメントを書いていきます。
ひらマンは年内までで1サイクルを終えました。つまり『着想編』(詳しくはひらマンHPを参照)が終了したことになります。それに伴い、記事の構造を今までのモノとは変えました。具体的には『課題文の要約』及び『何を意識して読んだか』の項目を削除しています。前者については、個別記事として扱い、コメントに反映するか否かは特段意識しないことにしました。
以下、記事の構造です。
- 作品を読んだ環境
PCで読んだ、とか、スマホで読んだ、B5に印刷して読んだ、とかそういう奴です。 - 作品へのコメント
エントリーの本丸です。作品へのコメントを描きます。着想編で取り組んでいた『伝わること』を第一に意識しています。
着想編までのコメントに関しては、オープンになっている動画や本から(自分なりに)方向性を定められていました。ですが、今回からはぼくとしても未体験ゾーンに入っているので、すこしブレたコメントになっているかもしれません。ごめんなさい。
なお、課題文に関しましては以下のリンクをご参照ください。
作品を読んだ環境
chromeブラウザで、スクロールしながら読みました。一部の作品に関してはアップロードミスなどの関係からひらマンHP以外の環境で読んでいます。
作品へのコメント
『ピザまん☆エナジー!』作者:シバ
ざぁ~っと流し読んでいても話が理解できて良かったです。誰が何をしているのか理解できる絵になっているのと、ページ単位での読むべきコマが明確なのが理由かなぁと感じました。メインキャラクターとモブの描き分けもはっきりしていて、余計な所に目が行かないのもつまずきが無くてスムーズだと感じました!
一方で、じっくりと読んでみると、少し説明が不足しているのかなぁと思う部分もありました。特に1ページがそうでした。”40代女性”というのが絵で伝わるのかなぁという部分や、『03:15』というのが昼なのか夜なのか明確でない部分など、確信の持てない情報が続いているように感じ、不安が残ったままページをめくりました。この不安があったので、3ページの行動が必要以上におかしく思えてしまったのかなぁという印象もあります。
2ページで『心配だから』と言っている主人公と、急に肉まんを求め始める主人公との間につながりが読み取れず、「少し怖いかも」と感じました。初めて読んだときには4ページで一度手を止め、冒頭に帰って読み直しました。
それでも演出が多く、とりわけ11ページからの締めへと向かう流れは一度乗れてしまう非常に心地よく、読んでいてとても楽しかったです!
『傾斜屋敷はカンケイない!!』作者:丫戊个堂
ぶち抜き立ち絵があり、何やらすごそうな屋敷と真剣なキャラクターの表情が描かれているので「お、なんか始まるぞ!」感が強く、読んでみたい! と思いました。
全体的に少し間のコマを入れても良いのかなぁと感じました。ですが、登場人物が絞られている上にキャラクターの動機が明確に語られているので、非常にストレスが少なかったです。加えて、男の子のハチャメチャ加減も愉快で楽しい! きちっと変な人として描かれており、「オイオイ!」と感じたときに女の子がツッコミを入れてくれていて、そういう意味でもストレスがありませんでした。
3ページの『某作品では 流氷館かぁ――』の台詞は少し前後とのつながりが分からなかったのですが、流れの中で重要な台詞じゃないなと感じたので気にせず読み進めました。『足捻った!! 足捻った!!』って二回繰り返すところ、良いですね……!
『生まれてこのかた』作者:ahee
1ページを理解するのが少し難しかったです。モノローグ(独白)と主人公の行動がちぐはぐなので、これを意図的なものとして読めないと、なにがなんだか分からないのかなぁと感じました。モノローグや冒頭の行動によるとどうやら主人公は善人になりたいらしい、と感じたのですが、扉絵以降はどうにもその意志を感じず、チグハグ間が強くなる一方で安心できる展開が少なかったので、疲れているときに読むと手を止めてしまいそうだなぁと思いました。
3ページが特にそうだったのですが、間のコマが入らず、ノータイムでスマホを持ち去るのは少し不気味でどう受け取れば良いのか迷ってしまいました。あと、7ページは全体的にどういうシーンなのか分かりませんでした。
それでもやはり、まとめ方の雰囲気は独特のものがあり、とても好みです!
『クソゲー作者姉ちゃん』作者:俗人ちん
混乱するほど読みにくいというわけではないのですが、途中で物語の視点が弟から姉に移ってしまい、そのまま決着するので、弟はどうしたんだろうというのが読後の第一印象でした。出てくるクソゲーが有名作なので(ぼくが知っている作品なので)、姉のクソ改変具合がちょうどよく楽しめました!
流れもきれいなので、どういう話で何が起きて、誰がどう変化したのかは掴みやすかったです。それでも全体として、やや演出が少ないのかなぁという感覚はありました。特に姉はすごくいいキャラクターをしていて、もっと表情が見たいなぁと感じました。例えば、6ページの『ニヤニヤ』など、いやらしい笑みを顔に浮かべる姉を真正面から見られたら気持ちいいだろうなぁと思います。
『ゆきのひ おひさま』作者:藤原白白
猫がかわいい。猫の視点が入る前にきちんと間のコマがあるので、視点に混乱せず読み進められて気持ち良かったです。また、猫の心情と演出がきちんと噛みあっている印象が強く、そういった意味でも物語と心の動きがハマっていて、とてもストレスフリーに読めました。
その反面、終わり方には少し投げられてしまったような感覚も持ちました。それまでがとても分かりやすく、いい意味でシンプルな印象だったのに比べ、最後はこちら側に委ねられた印象が強く、少しボヤんとした読後感でした。
やはり、ページを見た瞬間に文字を読むのではなく絵で読まされるので思はず読み進めてしまうのが良い意味で気軽で良いように思えます! 演出が上手いので、こういう始まり方をされると思わず読んでしまいますね。
『ひとつの鼓動の後ろ側』作者:iyutani
肉球が4つ描かれていて好印象です。それで読もうと思いました。
1ページの段階で施術場にいる事と、二人の立ち位置が分かる様なコマがあるとよりストレスが少ないかなぁと感じました。1ページ下段の台詞が誰のモノか、今でも少し不安があります。それでも扉が入る3ページまでは必要最低限の文字しかなく、ススッと理解できるので心地よさも大きかったです。
7,8ページに『今朝』『保護した』という情報が繰り返し出てくるのに少し違和感を持ちました。短い間に固まっているので、少し整理できれば変にここで時間がとられずよりうまく9ページに乗ることができたのかなぁと感じます。あと10,11ページの場転で少し混乱してしまいました。
押しつけがましさは感じません!
『ほれぐすり』作者:かずみ
設定とやろうとしていることはすごく面白そうだと感じました! ただ、現状のモノだとまだ少し整理しきれていないのかも、という印象を受けました。どの話をどこで入れるかなど、構成を少し変えるだけでもより流れがきれいになるのではないかと感じます。
女の子がとてもキュートなのと、線そのものに可愛らしさがあるので、ラブコメはマッチしている感じがとてもあります。先生の少し不器用な感じも絵と相まってすごく納得感があります! もし余裕があるのであれば、これは完成稿が気になるなぁと思いました!! 変な書き方になりますが、すごく面白そうなんだけど、このネームだと少し歯車がずれてしまっている感覚がありました。時間がギリギリだったということなので、是非まとまったものが読みたい……。
『白鳥湖の畔で』作者:こぐまあや
中盤以降の回想が入った後から、すごくテンポ感がコントロールされていて、最後までもっていかれたように感じました! ここと比べると、少し前半は吹き出しも多く、テンポがゆったりしているかな……? と思います。それでもおじいさんが愉快なキャラクターだったのがあり、ストレスというほどではありませんでした。
3ページの『違うッ』を読む順番が難しかったです。二段目の視線誘導が下に凸の曲線状で行われているので『ちなみにワシは――』を読んだ後その流れに乗って左上に視線が動いた後、次のコマに行ってしまうので、『私「もえぴー」の――』が先に目についたのだと思いました。
10ページの『馴染めない他人の中に探してる』というのに、言いたいことはなんとなくわかるのですが、これだけだと何を言いたいのか少し曖昧な印象を受けました。ここまで読んでしまっているので、もちろん最後まで乗せられて楽しく読み終えられるのですが、強いて言えばここはもう少し解釈の幅が小さくてもよかったのかな? と感じます。
『四日間の恋』作者:木ノ上万理咲
小出しにされる一つ一つのエピソードが明確で、とてもわかりやすかったです。反面、全体の流れの中で読んでいると、個々の話のつながりが読み取れず、場合によっては飛び飛びに感じることがありました。あと、弟さんが放置されてしまったような印象を受けたので、無理がないのであれば二人の話に絞っていても良かったのかなぁと思いました。
細かく日本語の使い方に慣れないものが多いのも、少し違和感があります。
BLだと、読んでいて自分で補正してしまう割合が高いので、二人の関係性に引き込まれる感覚はあるのですが、BLあるあるとかBLの雰囲気とかに馴染みがないと要所要所の盛り上がりに唐突な印象があるように見えました。それでも終盤の盛り上げ方はやはり巧みだと感じます! ちゃんとキスしてくれるし、ポイントをおさえてくれている安心感がありましたっ。
『ボクと君と時々あいつ』作者:盛平
すれ違いつつも、険悪にならないキャラクター造形になっていて安心感があります。冒頭で場面状況が分からないので、早めにそれが分かるコマが入ると、よりキャラクターの関係性が見えてくるように思えました。
1ページの『キュンです』がとても魅力的なので、2ページの『シュンです』も対になる様な形で読みたかったなぁと感じました。躍動感のある絵を描かれるので、こういう演出(デフォルメ?)コマを読むのがとても楽しいのです! 冒頭の女の子もとても魅力的なので、せっかくなら欠けのない状態で全体が見えると良いなぁと思います。
作画環境の問題かもしれませんが、パッと見たときに黒が少し目立ちすぎているように感じました。
少し説明が飛んでいるような印象もあるのですが、コマ割りが基本的に大きく、文字量も多くないので読むこと自体のストレスは非常に少ないと思います。モノローグ、セリフともに句点(。)が付いたりつかなかったりするので、どちらかに統一されていると良いように感じました。
『ストーン・フォー・ユー』作者:motoko
設定や世界観はとても好みだったのですが、正直、何が起きているのか良く分からないページが多かったです。雰囲気で輪郭を読み取ることはできるのですが、設定の開示が遅く、石とは何なのか、魔法はどういう位置づけなのか、この二人はこの世界でどういう立場なのかなどが曖昧なままで読み進めなければならないように感じました。
一度設定を理解して読み直すと物語としても世界観としても非常に魅力的なだけ、もっと楽しく読めるはず……! という思いが強かったです。
『ラスボスは最終回で死ぬ』作者:なないつ
世界観を最後まで掴み切れませんでした。魔王やヒーローは番組の役柄だったのか、実際に存在していてそのドキュメンタリー?を撮っているのか等、舞台設定を掴むことができず、内容を理解するのが難しかったです。
なんとなくの雰囲気や、物語の流れそのものを追うことはできました。それでもオチの部分をどう読めば良いのかが分からず、読後感としてはぼんやりとしたものを抱いてしまったというのが正直な感想です。全体的なコマ割りもすごく綺麗で、盛り上げるところでは大ゴマが使われているなど、設定以外のところがとてもスムーズだったので余計に掴み切れなかったところが印象に残ってしまったように思えました。
『異性恐怖症の先輩の婚活をプロデュースした件』作者:のり漫
身近な出来事をユーモアたっぷりに描く手腕が相変わらずで、時折笑いながら、時折真剣になりながら比較的気軽に読むことができました! 一方で、(ぼくにとって)躓きのある部分でしっかり躓いてしまった印象が少し強かったです。
例えば3ページの『だってオレ…』の『だって』が分からず、何度か読み直してしまいました。4ページの『そうなんだ』も二人のやり取りとして違和感がありました。『そうなんだよね』ならニュアンスが分かるのですが、『そうなんだ』だと読む側がニュアンスを選ばなければならず、この場面ではどう読めば良いのかが分かりませんでした。
と、ここまで書いて思ったのですが、この話だとちく夫さんとけい太のどちらが主人公なのかが判然としないために、読んでいてぼくの目線がブレてしまっていたのかもしれないです。
『帰ってきた! となりのお姉ちゃん』作者:つまようじ
全体的に流れが良く、ところどころ言葉の使い方が気になりましたが、サーッと読み切れました。『ける』という呼び方は、お姉ちゃんのキュラクターをユニークにしていてとても面白いのですが、1コマ目でこう書かれていると一瞬、何を指しているのか戸惑う気もしてしまいます。すぐに人名だと分かればいいのですが、ほんの少し誤植を疑ってしまいました。
ツッコミもボケに対してきちんと呼応していて、リズミカルに読めたのでとっても小気味よかったです! 締めの部分、『次は、オレが…』とはっきり言葉にできない終わり方も切なくて良いなぁとは思うのですが、最後にお姉ちゃんが見せた表情がこういう顔なので、言い切る様な形でもまた別の味があったのかなぁと感じました。
『聖なる夜に弟になりました。』作者:畑こんにゃく
突飛な設定なのですが、弟の突込みもあり、バランスがとれているように感じて十分に内容を受け止めながら読むことができました。『スコスコ』っていうオノマトペがすごく良いです。
8,9ページですが、見開きで見ると聖子の立ち絵が似た位置に二つ並んでしまっていて、少し違和感というか、作り物感を覚え、変な印象を受けるようにも思いました。
聖子は奇天烈なのに、どこか愛嬌があってすごくいいキャラクターだと思います。
ストーリーとして、14ページを読み、最後はこういう感じでまとめるのかぁ~と思っていたらもう一つドッキリがあって少し得をしたような読後感でした(笑)
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『エレクトロ*ルミネセンス』作者:pote(ぽて)
かわいらしい女の子とキャッチーな設定にインパクトがあって、興味を引かれます。設定が奇抜な反面、描かれているのがすごく身近な日常なのも入り込みやすく、良い読み味だなぁと感じました。感情移入する舞台としていい塩梅だなぁ、と。
コマ割りの細かさと、見開きで見たとき似たような遥歌の絵が多いことにちょっとした引っ掛かりを覚えました。それでも物語が転がり始める5ページからは特にテンポが良く、流れるように読み進められ、気持ちが良かったです。
天使と蛍光灯が揃った時にベタな印象もあったのですが、7ページのように気持ちよくかっちりきっかりベタをやってくれてとても可愛かったです。
『兄の背中』作者:片橋真名
パッと読んだときには、1ページでのカメラの動きが少し大胆かなぁと感じました。それでも絵で魅せてくれていたので、ストレスは少なく、扉で落ち着くことができました。ページあたりで見ると吹き出しの数は多少多いかなぁとも思いましたが、セリフの分量が抑えられていて読みやすかったです。
場面転換後の状況説明があと少しあったらもっと乗りやすかったのかなぁと、9,10ページを読んでいて感じました。8ページと9ページの流れを、お兄ちゃんとの会話を終えたことで(お兄ちゃんと離れたことで)一息ついた、というように読んでいたのですが割と近くにお兄ちゃんがいて少し驚きました。
締めに向けて一度演出が始まってからの流れは、いつもながら非常に心地よかったです! 欲を言うと、今回のネームは少し冒頭が重いように感じるので、4,5ページまでの間に一つ演出の効いた場面を読んでみたいようにも思いました。
『ギプスフレンズ』作者:くたくた
開始3ページが絵だけで読ませに来ていたのでなんとなくページをめくって、気が付いたら乗せられてしまっていた! といった読書感でした。キャラクターのリアクションも分かりやすくて、非常にストレスフリーでした。特に主人公の明確さと、みくちゃんの演出が極めて明確で読みやすさを支えていたように思います。
見るべきところも明確で、読むべきところも明確で、特に何も躓かずに読み切れました!
『地獄に堕ちてお兄ちゃん』作者:清水しの
Twitterで見るにあたってコマ割りも大きく、4ページ単位で小さなサイクルもあるので非常に小気味いいテンポで読めました。シリーズものとして一度に2話まとめて読めたのも、信頼感があって良いなぁと思います。
二話の内訳も一話目に少しえっちな話があり、二話目でしっとりという一粒で二度おいしい感がとっても贅沢でした。ベタでありながらも、二人の関係性をきちっと描き切って盛り上げるべきところで盛り上げていて、とてもまとまりを感じます。完成度に、読んでいて安心感と安定感がありました!
『ある墓碑銘』作者:田山
ちょうどいい塩梅で分かりやすくてよかったです! 田山さんの持っている雰囲気を残しながらもストーリーの軸そのものはシンプルで、すごく良いまとまりを感じました。個人的にはなにより王子がきゅーとだったのが良かったです。
物語の最初と締めを『友人』でつないでいますが、途中の話がとっても魅力的な分、込んで読んでしまうので、初めて読んだときには11ページに入った際、「……友人?」と手が止まりました。あと、途中でずっと『一行』って言われてるのに、最後が二行で面白かったです。
文字量は基本的に多いとは思いますが、それでも流れをゆっくりにしたり、盛り上がる部分では演出コマをキチッキチッと入れてくれるので、心地よい満足感と開放感があって、エンタメ的に読みごたえが楽しめました!
『青と念力』作者:桃井桃子
安定した百合で、心地よい安心感を持ちながら読むことのできる作家さんだなぁと感じました。マンガの入り方も非常にストレスがなく、落ち着いて読み始められます。演出や絵によって読ませようとしてくれているので、スッと入り込めました。
女の子が二人とも可愛らしく、百合としての触れ合いや温かい感じがあって安心します。一方で、今回のマンガは少しカメラの引きとアップがはっきりしすぎているかなぁと思いました。例えば、3ページの1コマ目は少し引き過ぎかなぁとか、7ページはもっともっとおっきく見たい!! という印象を受けました。
『あるふたりのこと』作者:うめていな
ぼくが慣れていないだけかもしれませんが、一話完結で冒頭がいきなり回想(夢)なのに少し驚きました。物語の動きが大胆だったので少しついていくのに大変な印象を受けましたが、13ページで終わらず14,15ページと話が続いてくれたので読後には良い感触が残ったように思います。
入り組んだ関係性の二人だと感じたのですが、そこを言葉で説明しすぎるのではなく演出と演技で説明してくれていたので読みのストレスが大きくならず、「完全に分かる」とはいかなくとも、なんとなく二人のことがわかってしまう、といった感覚で読み進めました。
『楽しい幽体離脱』作者:ヤノナナミ
タイトルクレジットと一緒に作者名も入っていると良いなあと思いました。
冒頭から「なんか変なことやってるな?」という感覚があり、読み進めていくと設定がマメ知識的で面白く、ついつい読んでしまいました。ちょっとした謎から少しずつ深いところへ入り込んでいく雰囲気はとてもぼくの好みで、もっと読んでみたいなぁと思います!
説明部分を除いても、少し文字量が固まって多いのかなぁという印象です。一つ取り上げると、6ページの右下コマなどは吹き出しのサイズと文字量がかみ合っていないので、どうするのだろうかと気になりました。
ホームセンターに行ってドアノブを買ってくる件などはすごくヤノさんぽさというか、他では読めないものを読めた楽しさを感じました。
『いつかのあの日』作者:横たくみ
飽きさせないカメラワークが続くので、非常にストレスが少ないです。絵を眺めるだけでもまとまりの良さを感じました。初見時に、2ページから回想が始まったのだと誤解してしまいました。通して読み終えたときには気づけたのですが、頭から読んで行くと2ページで人物に斜線が入ること、タイトルが『いつかあの日』で場面転換的に読めてしまったことで勘違いをしてしまったのだと思います。
場転(と勘違いしてしまったところ)以外では特に引っ掛かりもなく、何をやっているのかもわかりやすかったです。……ので、良かった! という印象が一番大きいです!! いちゃもんめいてしまうのですが、二次創作めいた想像力で好き勝手に感想を書くのなら、お父さんのツルは少しヨレヨレだったりすると(ベタ過ぎる?)「お、おやじぃ~!」ってなるなぁと思いました。
おわりに
次回講義から、ひらマンの第二サイクルが始まります。扱いとしては『展開』パートですね。それに伴い、ぼくがひらマンに臨む態度や、具体的な取り組み方を改めて構築し直そうと考えています。
今回のコメント記事はこの様な形になりましたが、また講義のあとでは考えが変わっているかもしれません。とにかく、できる限り真摯さを見失わないように、というのが当面の目標であります!
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
今年もよろしくお願いいたします。