始めに筆ならしと自己紹介を兼ねて私のFEプレイ歴をまとめてみます。
私がFEに触れだしたのはここ2、3年のこと。そもそもは「パワプロクンポケット」という野球バラエティゲームを通して知り合った友人に端を発します。
何を隠そう、この友人がエムブレマーでした。
『あまりゲームをやってこなかったオタクなので、もしおすすめのゲームがあったら教えてください!』
軽い気持ちでそう聞いたとき、紹介してくれたのが「ファイアーエムブレム」でした。
プレイしたタイトルと順番は以下に示す通りです。
「トラキア776(DS/VC) → 聖戦の系譜(DS/VC) → GBAシリーズ → Echoes」
ただし、DSは「ニンテンドーDS」を、VCは「バーチャルコンソール」を指す。
なお、wiiシリーズ・if・覚醒は未プレイ。
RPGと言えば「ポケモン」くらいしかクリアしたことが無いというRPG苦手マンでして、どのタイトルも基本的に周回プレイはしていません。ファンと自称していいのか怪しいところではありますが、「Echoes」と「風花雪月」は発売日に買ってプレイしたのでヨシとしたい。
周りのエムブレマー曰く、「トラキア776」から入るのはレアキャラだそうです。
これは完全に友人の趣味です。
『FEシリーズはプレミア価格ついてるのもあるし、まずはVCでプレイできるものからやったらどうか』という甘い言葉にまんまと載せられました。
――と、冗談はさておき。
FEの第一印象は『達成感が気持ち良い!』でした。難しいパズルかなんかを解いたときに似た快感を抱きました。そうです。どれもこれも「トラキア776」の難易度が高いオカゲです。
予告もなく湧き出る増援。
『そっから出てくんの!? 味方の進路どうなってんねん!』
次のマップに行ったら素っ裸。
『戦うのに武器がありません!!』
貴重な武器を鉄武器のように持ち出してくるモブ敵。
『それ固有武器ちゃうんかい』
思い通りに進まない索敵マップ。
『1ターンに2マスしか進めない! 飛行がいない!』
サラ様を仲間にできる章で『よし。サラを担いだまま章終えたし、これで仲間になるでしょ』と思ったことは今でも忘れませんし、これからも忘れないでしょう。
『そうか、これがFEか』と。
なんで担いでんのに仲間にならないんだよ。説得してくれよ、頼むから。
担いでんだからそのまま仲間にしてくれてもいいじゃんか……。
苦労して武器盗みまくったのに……。
初プレイなのに昔のゲームだからって調子に乗ってゼーベイアまで仲間にしてたのに……。
クリア後に知ったことなんですが、FEの特徴は「高難易度SRPG」と「キャラゲー」を合体させたところにあるといわれてるらしいです。
自分はキャラ萌え(をすること)が上手くないオタクです。
なので、怒髪天を衝きながらも、ほかのタイトルから入っていたらここまでFEを追っかけなかったかもなぁと「トラキア776」には奇妙な縁を感じております。
そんなこんなで、「トラキア776」プレイ完了報告を件の友人にしました。
すると、
『トラキア776に出てきたキャラが出てくるからこれをやろう』と
間髪入れずに「聖戦の系譜」を勧められました。私も私で、勧められるがままに「聖戦の系譜」をクリアしました。ここでも忘れられない思い出ができるのですが、それはまた次の機会に譲りましょう。
(キュアン。君がレッグリングを持ち逃げしたこと、末代まで許さんからな。)
さて、ここまでくるとオタクの性が黙っていません。
シリーズもののゲームを2作もプレイしてしまいました。
そう――、どうせ2作やったのならシリーズ全部やっても同じ。
GBAシリーズは友人から借り受けてプレイしました。
まぁ結局はGBAシリーズと新作(無双は除く!)しかプレイできてないのですケレド。
FEの過去作にプレミア価格がついてたり、サイファに手を出して金が溶けたり、そうこうしてるうちに「Echoes」出たり、サイファで金を溶かしたり、サイファに金溶かしたり。いろいろあったのです。いろいろ。
なんでカードゲームってあんなにお金かかるんだろうね?
ちなみにサイファはトラキアデッキ(オレンジ・無色混合デッキ)使ってます。
いまだによくわかってないルールあるんで誰か一緒に遊んでください。お願いします。
省いたところも多々ありますが、以上が私のFEプレイ歴でした。大事な所をまとめると「FE風花雪月」の前にプレイしていた直近のシリーズ作は「Echoes」だってこと。
前置きが長くなりました。
ここから「FE風花雪月」の話に移っていこうと思います。
なんといってもまずはここについて語らねばならぬでしょう。
「FE」と「学園もの」は、 最 高 に相性がいい。
風花雪月が発売されるまでの前情報で「学園もの」と分かった時には『新作はまぁ良いかな……。switch持ってないし』と落胆したエムブレマーも多かったと聞きました。
…………………………おい。
誰だよ、がっかりしてたやつ。 今すぐ出てこい!! ふざけんな、最高の組み合わせだったよ! もったいない! こんな文章読んでないでさっさとソフト買ってこい!
今すぐ!!
FEと言えばスマブラでおなじみ、「ロイ」「マルス」「ルキナ」など。デザインだけでご飯が食べられそうなほどに魅力的なキャラクターたちが最高の売りです。
そんな魅力あるキャラクターたちが「争い/戦争」という舞台の中で悩み、仲を深め合い、時には喧嘩をして成長する。
そんな様をこれでもかと味わい尽くすのがFEであり、エムブレマーでした。
――しかし、
過去作では、テキスト量格差問題(私が勝手に問題化してます)が解消されないままでした。キャラクター間で、ゲーム中のテキスト量が圧倒的に異なるのです。
物語の中盤で現れるキャラがほかのキャラに比べて圧倒的にテキストが少ないとか。序盤に出てきたものの物語にはほとんど絡まず、中盤以降はほぼ空気……とかいった問題です。メインキャラクターだけを好きになれば良いんでしょうが、そんなことを許すほどデザインが悪くないし、キャラクター設定も悪くない。
悪くないのに……ドウシテ……、ドウシテ…………。
なんて思いがずっとあったのです。
例えば、リフィスっていうんですけどね? 2章から出てきて、トラキアではかなり重要なシーフっていうクラスのくせに中盤以降、ほとんどテキストの無い子がいるんですわ。……ぅう、リフィス……。哀れな男よ。
それはそれとして!
一方、FEをFEたらしめているシステムの一つに「キャラロスト」があります。ゲーム中で敗北したキャラは文字通り「死んだ」扱いになり、その後物語に出てこなくなるというシステムです。独特の緊張感を生むとして評価の高い「キャラロスト」ですが、ファンの間ではこのシステムがあるために主要キャラクター以外が本筋に絡まないんだ、なんて推測もされています。「キャラロスト」があると、死んだらゲームオーバー(やり直し)以外のキャラを本筋に絡めたときの整合性を取る(ルート分岐を作る)のが死ぬほどめんどくさいだろう、というのです。だから、継続してストーリーに絡むキャラを増やすハードルが高いのだろう、と。
それなりに説得力があると思います。
シリーズ途中からは「支援会話システム」によって全体的にテキスト量が増えました。しかし、支援会話の中身が本筋に関わることはほとんどなく、物語の中で絆が深まっているはずなのにキャラ同士の会話は完全に番外編でしかない、みたいな状態が続いていました。
それが! なんと!! 風花雪月では!!!
「学園もの」になることですべて解決したんです!!
伝われ、この感動!!
舞台装置に学園を用意し、そこへ「学級」と「担任」というスパイスを加えればあら不思議。過去作では「途中加入」させるしかなかったキャラクターたちが「学園」という舞台の中で、みんなが顔を合わせているじゃありませんか!! みんな平等に物語の冒頭から登場している! みんなちゃんと物語に巻き込まれている!!
素晴らしい!!
『なんか、加入は無理やりだったし、あの後パーンも解放軍に入れちゃったけどそれをリフィスがどう思ってたのか全然わからなかったなぁ。12障外伝終わってから二人の絡み無いし』
なんてことが起きない!
『レナート、なんかめっちゃ暗そうな過去エピあるっぽいけど具体的なことあんまわかんなかったなぁ』
なんてこともない!
途中加入=学級移動と置き換えることで、キャラクター間への思い入れ度合いの差別化もできます。(初めから全員を担当できると情報量が多すぎてゲームを楽しめませんし、物語に厚みも出にくい)
メインストーリーは「宗教」をテーマにして、学園全体が巻き込まれる形で進んでいきます。そのため、ストーリーに「絡むキャラ」/「絡まないキャラ」と言う区別がなく、全員にストーリー情報が共有されています。さらに「散策」というシステムで、自分が選んだ学級の生徒たちがメインストーリーをどう体験したのかはもちろん。直接担任していない生徒たちの考えを聞くこともできるんです。
しかもこの「学園全体で話が進む」という第一部の作りそのものが、三国に分かれた戦争の始まる第二部の物語へ、味わいと深みを提供してくれるという……!!
第一部では生徒全員へ情報が共有されたままメインストーリーが進むのに対し、第二部ではソレが変わります。第二部では『第一部の内容は、みんな知っているはずなんだ』という前提が最高にいい味を出すんです。
いいからプレイしてくれ。
プレイしてくれれば分かるはずなんだ。
生徒たちはみんなあの世界で生活してるんだよ……。
そしてその生活を、第一部では皆が共有してたんだよ……。
それでもあの二部は避けられないんだ……。うぅ……。
少しわき道にそれました。元に戻しましょう。
FEおなじみの外伝も風花雪月では健在です。
学園で行う「実技実習」の一環として討伐や遠征に出かける、という形で組み込まれています。しかもメインストーリーと時系列的・物語的に矛盾が無い!! 最高かよ!
繰り返しますが、「FE」と「学園」はものすごく相性が良かった。
プレイすればそれが分かります。分かってみれば『そりゃそうか!』ってくらい歯車がかみ合ってますが、かつての私は分かりませんでした。反省。学園を舞台にして、学級と担任という構成を添えられた今、FEの完成形を見た気がしている。
それくらいに満足度が高いです。風花雪月、超好き。
ストーリーテリング的な面ばかりで褒めていますが、これだけじゃありませんでした。
風花雪月では「指導」というシステムがあります。これは、各キャラクターの技能をプレイヤーが任意に育てられるシステムです。これも生徒と担任という設定があるがゆえの作り! 軍師が各将を一人一人読んで訓練してたらかなり違和感あるもんね。
指導では一部過去作で「熟練度」と呼んでいたものを、戦いを通さずに成長させることができます。これ、キャラゲーとしてかなり質が良かったです。もともとの得意・不得意はある程度決められているものの、指導によって自分の受けた印象通りにキャラクターたちのクラスを誘導できます。
もう、キャラクターへの思い入れ、爆上がり。
また、風花雪月では「クラスチェンジ」に必要な条件が「資格試験」への合格という形になりました。クラスごとに異なる合格基準の定められた「資格試験」(ゲーム的には資格試験のコマンドを選ぶだけ)にパスすればそのクラスになることができます。文字通り「資格」を得るだけなので、そのクラスになるかどうかは、プレイヤーが好きなタイミングで好きに選ぶことができます。検定料が必要にはなりますが、すべてのキャラクターがすべての資格試験を受けられます。
つまり、 夢にまで見た『魔法を見限った末のアーマーナイト』が作れる!
筋骨隆々、『斧だって使いこなせるぜ魔導士』が作れる!
自分で考え、良い、と判断したクラスへ生徒を導くとかなりの思い入れが生まれます。
過去作までは「ランダム成長」と「ストーリー分岐」だけで支えられていた『自分だけのFE体験』がこの育成システムによってより深く、より独創的になりました。
これぞ 風花雪月 ユア ストーリー です。
(蛇足ですが、一定のレベルに到達したあと「○○プルフ」という謎アイテムを消費したら不思議な力でクラスチェンジできました、じゃないんです。これ、個人的にかなりうれしかった。Echoesではクラスチェンジ先を複数の候補から選択できましたが、好きに元のクラスへ戻ることはできませんでした。『ゲーム的なもの』に納得感のある説明が存在するって素晴らしい。本当にその世界があるんだと、抵抗なく信じることができる。細かいことではありますが、これはキャラクターの実存感を支える大事なポイントだと思います。)
他にも任意のキャラとお茶会ができたり、支援会話がフルボイスでボリュームもあったりと良いところは枚挙に暇がありません。なんといっても、一度見たムービーや支援会話はタイトル画面の「エクストラ」からいつでも見られるんです! 最高!! ありがとう、風花雪月に関わったゲームクリエイターの皆さん! 発売されて一か月も経たないうちに100時間もゲームをプレイしたのは幼少期のポケモン以来です。
今は 青 → 赤 ときて、黄色を始めたばかりのタイミングになります。前の二週はレア様に冷たくし過ぎたので今回はプレゼントたくさんあげてみようかなぁ。
なんやかんやで書きたいことを書いていたら5000文字を超えてしまいました。最近、SSでも5000字オーバー書いてないのに。えらいこっちゃ。
金鹿終わったら風花雪月で何か創作ができたらなぁと考えております。
本当に徒然と文章を書いてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。すでに風花雪月を買っている人は、まだやってないクラスを楽しんでください。まだ買ってないそこの君は、今すぐにでも買おう! 任天堂カタログチケット買えば1万円でソフト二本買えるぞ。ポケモンも発売されるし、風花雪月とセットでどうでしょう? 今回の主役キャラは『赤(帝国)・青(王国)・黄(同盟)・緑(セイロス聖教会)』で初代ポケモンと似てるしね。
それでは。
(2019/08/15 誤植訂正)